愛犬のトリミング後にフケや痒がる仕草が出るワケ!?

トリミング後に痒がる原因

トリミングサロンから帰ってきてから、愛犬の様子を見ていて、こんな症状は今までに経験したことはありませんか?

 

 

  • なんだかいつもよりも体を掻く仕草や痒がっている気がする。
  • なんだかフケがすごい出ている。
  • 皮膚がいつもよりも赤らんでいる。

 

 

これらの症状をネットで検索してみると、バリカン使用時の怪我やスリッカー負け、シャンプーが合わないなどがよく書かれていますので、トリミングサロン側からは何も言われなかったけど、トリミングサロンで何かされたんじゃ無いか!?

 

 

そう感じますよね!

 

 

同じ症状でもその原因というのは、体質や、その時の皮膚被毛の状態、その時の体調など多種多様なので、ワンちゃんによっても変わってきます。

 

 

今日は、このような症状が起こる主な原因について、より具体的に、わかりやすくまとめてみようと思います。

 

 

皮膚トラブルは、トリミングサロンに行った事がきっかけで起こった場合でも、フケが出るのは、トリミングサロン側の問題と、ワンちゃんの状態との2つのパターンが考えられます。

 

 

トリミング後にフケや痒がる主な原因

 

 

ネット上でよく目にするトリミングサロン側の施術で考える原因からお話しましょう。

 

実は!!これらの主な原因というのも、いくつも考えられるんですね!

 

 

シャンプーが合っていない場合

 

 

『皮膚が敏感肌だから、シャンプーで刺激の弱いものを使って欲しい!』

 

 

どうして敏感肌だと、炎症や痒がりといったトラブルを起こしてしまうのでしょうか?

 

 

理由は、シャンプーの成分というのは、『皮膚』に『浸透・吸収』されています。

 

 

皮膚に吸収された際に、シャンプーの成分に反応が出てしまうことが原因で炎症や痒がり、フケといった症状を引き起こす場合があります。

 

 

この反応が出る理由というのも、2つあります。

 

 

免疫力の低下

 

 

今まで何度も行っているトリミングサロンで、今まで同じシャンプーを使っていた時は、何もトラブルがなかったのに、今回に限って皮膚トラブルを起こしてしまった場合というのは、

 

 

体調を崩したり、夏など体力が消耗していると、『免疫力』が低下して、皮膚が敏感になっています。

 

 

本来健康な状態の時には刺激と感じないものでも、肌が敏感になっている時には、いつもは問題ないシャンプーを、刺激物と体が判断して、反応が出てしまっている事が考えられます。

 

 

 

愛犬の体質

 

 

もう一つは、体質として、その成分に対してアレルギーを持っていたり、生まれつき敏感肌で、刺激や反応が出てしまう場合です。

 

 

トリミングサロン に来店される子の中の割合でいうと、圧倒的に免疫力の低下の場合が多いのですが、

 

 

免疫力の低下については、トリミングの数日前に病気になっていたり、明らかに元気がない、体力が衰えている老犬など、見て判断がつく場合を除いては、直接ご来店時の目視での健康チェックで判断がつかないため、シャンプー後でないと反応が出るかどうかはわかりません。

 

 

そのため、トリミングの数日前にご自宅の様子を見ていて、元気がない!等の変化や、病気になってから完治したばかりの時は、トリミングサロンの担当トリマーに、その情報をお伝えしておくといいでしょう!

 

 

トリマーは、その情報を元に、シャンプー剤やその濃度、シャンプーの仕方などを調整しながら施術していますので、どんな体調の変化でも、トリミング時に伝えることをオススメします。

 

 

何も情報をお伝えいただかないと、担当トリマーはいつも通りの施術を行うしかないため、未然に防ぐためにも、トリミング時に、愛犬のちょっとした変化は全て伝えることが大切ですね。

 

 

皮膚の細かな傷の場合

 

 

動物病院に行った際に、細かなキズが出来ている!と言われる場合は、主に以下のことが考えられます。

 

 

バリカンやブラシによる傷

 

 

バリカンをかける際やブラッシングする際の『引っ掻き傷』という印象がありますが、実はこれも奥が深い話になります。

 

 

ご自宅でブラッシングを行う際には、1本のブラシを使用しておこなう場合が多いですよね?

 

 

通常トリミングサロンでは、『スリッカーブラシ』『ピンブラシ』『獣毛ブラシ』『コーム』『ゴム製ラバーブラシ』といった様々なブラシを使用します。またこのブラシの中でも、目の細かさや硬さ、大きさの違うものに分かれており、

 

 

ワンちゃんの『犬種』や『被毛の状態』『皮膚の状態』『体の大きさ』に合わせて、多種類のブラシの中から適正なものを使い分けています。

 

 

前項で話たように、免疫力が低下し、皮膚が敏感になっていたり、すでに炎症等のトラブルを起こしている場合は、皮膚を傷つけないように、ブラシを変えているんですね。

 

 

ブラシの中でも、特にピンが硬く、目が細かい『スリッカーブラシ』は、トイプードルなどのもつれ毛をほぐす際によく使われますが、この比較的硬いブラシを例に、よくネット上では、皮膚を傷つける原因としてあげられていますが、

 

 

スリッカーブラシを、試しに自分の腕の皮膚にかけると、ピンが硬くて痛い、またうっすら白く傷のように出ますので、『人の主観』でこのブラシが傷つけている!と考えているのでしょう。

 

 

実は、スリッカーブラシだけを使ってトリミングをおこなっているわけではないんですね!

 

 

そもそも、スリッカーを使うトイプードルなどの犬種は、人の腕と違い、全身が被毛で覆われていますので、皮膚がむき出しの人の腕で試しても、傷つくというのは、全く変わってきます。

 

 

トリマーは、担当した犬の状態に合わせて、皮膚を傷つけるなどの怪我を引き起こさないように、ブラシを使い分けています。

 

 

また、スリッカーブラシの場合でも、毛の流れに沿って、先端から根元へと徐々に毛のもつれをほぐしながらブラッシングをおこないますので、いきなり根元から無理やり毛を引っ張りあげてブラッシングすることはありません。

 

 

ではなぜブラシが傷の原因になる事があるのか?

 

 

担当トリマーが、施術前のブラッシング時に、しっかり皮膚の状態の確認をしていなかったり、

 

 

経験が浅く、無理にもつれや毛玉をとろうと、毛の根元から力任せにブラッシングしてしまったことで、被毛ではなく、皮膚にブラシが直接当たってしまった。

 

 

また、毛の生え方を見て、被毛の流れに沿ってブラッシングするのではなく、毛の流れに逆向きでやりすぎると、傷の原因になります。

 

 

ワンちゃん自身の日常的な行動の場合

 

 

トリミングに行く前の様子を観察してみてください。

 

 

足で体を掻く仕草はしていませんか?

 

 

自分で掻いているとき、爪で無数の細かな傷が出来てしまう事があります。

 

 

はっきりとした傷や皮膚が全体的に赤らんだり、炎症が出るほど掻いていた場合は、目視ですぐに状態を判断出来ますが、

 

 

皮膚の表面にうっすらと出来た無数の細かい傷というのは、目視で確認する事は難しいです。

 

 

この状態の時、シャンプー剤などが無数の細かな傷から侵入して炎症を引き起こしたり、細菌の侵入により炎症することがあります。

 

 

また、ドライヤー熱も、通常の健康な皮膚の時は反応する事はないのに、無数の細かな傷があると、この熱で炎症反応が出る事もあります。

 

 

細菌やカビ菌の異常繁殖が原因の場合

 

 

犬も人と同じように、体には常在菌がいます。よく炎症やフケの原因になる『マラセチア菌』は有名ですよね!

 

 

健康な状態では、これらの細菌は皮脂がバリアの役目をしていて、守られているため、皮膚トラブルのような悪さをすることはありません。

 

 

しかし、免疫力が低下していると、これらの菌が増殖する事で、フケや炎症、カサブタといった皮膚トラブルの原因になる膿皮症を起こしてしまう場合があります。

 

 

 

皮膚のベトつきがある状態の場合

 

 

トリミング期間があいていて皮脂汚れによるベトつきがあったり、皮膚がベトつく脂漏症の場合があります。

 

 

特に、脂漏症の症状は、ベトつきに加えて、フケや皮膚の乾燥がありますが、

 

 

上記のようにベトつきがある場合、トリミング前は、たとえフケが出ていたとしても、その皮脂汚れのベトつきによって、皮膚の表面に付着し、被毛で覆われているので、目視では気づかないことがあります。

 

 

これが、トリミングサロンでシャンプーし、皮脂汚れを取り除くことで、今まであったフケが表面化して目立つんですね!

 

 

トリミングサロンから帰ってきてから、フケが目立つため、シャンプーが合わなかったのか?シャンプーの洗い残しか?と考えられる事が多いのですが、

 

 

実は、目立たない皮膚の表面では、すでにフケが出ている状態であったという事ですね〜

 

 

皮膚がベトつきやすい子はこれが原因でなっている事が考えられます。

 

 

また、皮膚のベトつきが出ている子には、もう一つ原因となることがあります。

 

 

それは、皮脂汚れがある皮膚のベトつきの状態が続き、これらの余分な脂分が皮膚のバリアの役割を果たしていた場合です。

 

 

本来、皮脂汚れが残っていると、被毛のベトつきによって、カットの仕上がりに影響したり、匂いの原因にもなりますので、シャンプーは、皮脂汚れを落とすためにおこないますね。

 

 

シャンプー成分の刺激が原因ではなく、低刺激シャンプーで、通常のシャンプー工程を行なったとしても、

 

 

この皮脂汚れが取れたことで、バリアの機能が低下して、乾燥の原因となり痒がっている仕草をしたり、細菌やカビ菌が炎症を引き起こすことがあります。

 

 

トリミング期間が3ヶ月以上あいていたり、脂漏症や、皮脂汚れ、ベトつきやすい体質の子は、これらが原因の可能性がありますよ!

 

 

予期せぬトラブルを防ぐためにも、ベトつきやすい子は、月に一回程度のシャンプーで、皮膚の状態を清潔に保ってあげることをオススメします。

 

 

二次的な行動が原因の場合

 

 

いかがでしたか?ワンちゃん色んな事柄が組み合わさって、トリミング後にフケが目立ったり、痒がる仕草をしていたんですね。

 

 

また、これらは、トリミングから帰ってきた後でもトラブルを引き起こす場合があります。

 

 

ご自宅に帰った後に、自分自身で体を掻いた細かな傷を舐める仕草をしていたら注意してください。

 

 

目に見えない細かな擦り傷でも、ワンちゃんがペロペロ舐めることによって、口にいた細菌が皮膚に移り、炎症や痒がりを引き起こす場合もあります。

 

 

その他トリミングとは関係ない場合

 

 

トリミングに行ったタイミングがたまたま目につくきっかけとなっていた場合というのもありますね。

 

 

例えば、

 

 

ノミダニに刺された事が原因

 

 

ノミダニに刺されたところからアレルギー反応が出て、体全身が痒くなる事があります。

 

 

皮膚病の場合

 

 

アトピーなどの皮膚病やアレルギーにより痒がっている場合もあります。

 

 

トラブルを未然に防ぐために

 

 

最後に、このような予期せぬトラブルを未然に防ぐために、いくつかポイントをまとめておきます。

 

 

今行っているトリミングサロンは、ブラシなどどんなものを使用してどう施術をしているのかを質問してみる。

 

 

また、トリミングに行くその一週間前からトリミングに行く日までに愛犬の仕草を観察し、体調を崩したり、体を掻く仕草や、被毛のベトつき、いつもと違った些細な変化でも、気になることはトリミングに行った時にすべて詳しく伝えるといいでしょう。

 

 

日常的にブラッシングすることで、皮膚被毛の状態を観察してあげるといいと思います。