2018.11.12 | コラム
トリミング帰宅後に食欲が無い。元気がない原因は??
トリミングから帰ってきたら、なんだか元気が無い、、ウンチも柔らかい、、ご飯も食べないし、、、
トリミングで何か嫌なことでもあったのかな。。。
トリミングから帰って来てからも、いつも通りに元気いっぱいなら良いですが、
もしも、元気がなかったら、ずっとお店でカットが終わるのを見ているわけではないので心配になりますよね。
そんなトリミングから帰ってきてから、元気が無い原因について今日は書いていこうと思います。
原因① 精神的ストレス
まず始めに思いつくのが、トリミング中の精神的ストレスですね。この精神的ストレスは、いくつか考えられます。
トリマーによる精神的ストレス
これは、トリマーの人的ストレスです。ネット上では、無理に抑えつけられていた!や、トリマーの犬に対する扱い方が、虐待のような行動を指摘されていますが、トリマー目線で言うと、虐待と言うのは正直疑ってしまいます(笑)
犬が嫌いでトリマーと言う職業についている方はいませんからね〜!
もしもそんなモチベーションの低いトリマーがいるのであれば、同じ職業についている人間として、誰も幸せにできないので、すぐに職を変えるべきだと思いますしね。
この『人的ストレス』と言うのは、犬を叩く!!雑に扱う!!などの虐待と言うことではなく、精神的ストレスを与える理由には、2つあると思っています。
トリミング慣れしていない子
まず1つ目は、子犬の時からトリミングサロンに定期的に通ってなく、家でたまにシャンプーする程度で、トリミングには年に数回など、トリミングに慣れていない子の場合は要注意です。
まず、ワンちゃんの苦手箇所の有無が関係します。
生後9ヶ月位から、その子の性格や体格が出来上がってくると言われていますが、その間に、定期的にサロンを利用していて、トリミングの施術に慣れていると、施術の流れはストレスを感じにくいですが、
成犬になって性格などができてから、たまにしかトリミングサロンを利用しない子の場合、水が苦手だったり、爪切りや耳掃除、ドライヤーの風、ハサミやバリカンの音など、トリミングの施術に嫌がってしまう子が多いです。
特に耳毛抜きや爪切りは、極度に嫌がってストレスを感じてしまうことがあります。これについての対策については、後ほどもっと具体的にお話します。
また、トリミングテーブルの上にいることも日常では無いので、トリミング慣れしていない子は、テーブルの上でカットされることにストレスを感じる子もいます。
その他にも、家では、自分1人しかいない環境で過ごしているのに、トリミングサロンのように、知らない他のワンちゃんが沢山いる環境に慣れていなくて、他のワンちゃんの鳴き声や匂いのある中で、身を守ろうと終始警戒して神経を使ってしまい、家に帰ってからグッタリしてしまうと言うこともあります。
トリマー の技術、経験値
2つ目は、トリマーの技術、経験値です。
いつもトリミングサロンではなく、トリミングスクールの学生の『カットモデル犬』として出しているという子の場合、今まで見てきて、噛み癖があったり苦手箇所が多い子が多い気がします。
これこそがワンちゃんが感じる精神的ストレスです。
トリマーとしての経験が浅いと、爪切りや耳掃除、シャンプーやトリミングと言う作業中に、その体制がワンちゃんにとって無理をさせていることに気づかなかったり、嫌がっているのにそのまま作業を進めてしまったり、動き回ってしまった時に無理に抑えてしまうなど、ワンちゃんの扱い方に慣れていないせいで、ワンちゃんにストレスを与えてしまいます。
例えば、爪切りの際に、ワンちゃんにとって辛い無理な体制で爪切りをしようとしたら、ワンちゃんは嫌がりますよね。
それでも、トリマー は、カットを仕上げないといけませんから、必死になって無理に爪切りを続けていたら、ワンちゃんも自分の身を守ろうと、言葉が話せない分、もっと暴れたり、噛んだり怒ってSOSを発信します。
今度は、そうやってSOSを発信して暴れたり、嫌がる行動をして、トリマーが思うように、うまく施術をさせてくれないと、どうやったら警戒心を解けるのかがわからないので、嫌がって暴れても、それを封じ込めようと、無理に押さえつけて作業を続けてしまう。。。
そうならないように、ワンちゃんの性格などを考慮して、その子にあった扱い方をする。また、過度に嫌がるならそこは今回はやらないという選択も時にはプロとして必要ですし、うまくコミュニケーションをとり、警戒心をとってから作業を進めるのがプロですが、今トリマーの資格を取ろうとしている学生さんや経験の浅い子は、そのコミュニケーションのとりかたを『今』カットモデル犬などをカットして、経験を積んでいる段階です。
それがワンちゃんにとってはトラウマになって、同じように、爪切りをしようとすると、その行動に警戒して噛んだり、怒ったりしてしまう。
爪はどこまで切っても大丈夫か?神経はどこまでなら傷つけないのか?どこまでブラシは力を入れても大丈夫なのか?暴れたり嫌がってしまった場合には、どのように保定したら、ワンちゃんにとって無理の無い安心してやらせてくれる体制なのか?警戒心をといて施術させてくれるためにはどうしたらいいか?などを、学校ではカットを実際におこなって、何度も練習して、感覚を掴んでいくものです。
なので、トリミングスクールのカットモデル犬と言うのは、かなり格安でトリミングをしてくれますが、愛犬への負担を考えると、できれば、安いからと言って、トリミングスクールなどに出すのはオススメできません。
原因② 病気や体調不良
これもいくつか原因が考えられます。
高齢犬や体調不良時
夏バテや体調不良、特に高齢犬など、体力や免疫力が低下している時のトリミングの施術は、ワンちゃんにとって、相当の負担がかかっています。
例えば、シャンプーで全身を洗われたり、シャンプーを流すシャワー時。濡れた被毛を乾かすドライヤー時。トリミングテーブルの上でずっとジッとしている時など。
定期的にトリミングに行っていて、すでに環境や施術に慣れていて、体力万全の健康時なら、トリミングの作業というのはさほど負担にならないのに、
高齢犬や体調不良で体力が落ちていたら、その施術中の負担が大きく感じられるものです。
人も、風邪をひいて高熱が出ている時に、お風呂に入るのはすごい体力を消耗するし辛いから、入ろうとする方はいませんよね。
多くのトリミングサロンで高齢犬の施術に年齢制限を設けていたり、トリミング数日前に下痢等の体調不良の症状が出ていたら、トリミングをお断りしているのはその為です。
もしも、トリミングの日、朝いつも通り元気だったとしても、ちょっとの変化があったら要注意です!!
例えば、いつもは綺麗にご飯を食べ切ってしまうのに、ちょっとご飯を残しているとか、お散歩に行っても、途中で引き返して、家に帰ろうとするなど、いつもと変わらず元気だけど、ちょっといつもと違うな!ってことがあった場合には、トリミング後に体調が悪化して元気がなくなってしまうことも考えられるので、トリミングの担当トリマーにそのことを伝えて、トリミングをするかどうかの判断を仰ぐようにするといいでしょう。
病気が発症
『パテラ』『ヘルニア』
よく聞くのは、ダックスなどに多い『ヘルニア』や、トイプードルに多い『パテラ』という病気が考えられます。
ヘルニアやパテラは、骨折やケガのように、その時の外的要因でなるものとは違い、日常生活の中でちょっとずつ骨が擦り減り、進行してきた『蓄積』が、ある時、突然表面化してきます。
例えば、飼い主さんが買い物に出かけて帰ってきたら、愛犬がうずくまって立たないとか、元気が無い、歩き方がヨタヨタしてるなんてことも聞きますし、
ドッグランに遊びに連れて行った時に、走り回ってたら、途中で急に立たなくなった。足を上げてビッコを引いてて、元気がなくなったなども聞きます。
特に、誰かにぶつかって腰を痛めたとか、階段やソファーなどから飛び降りたなどの要因がなくても起こりえますよね。
体の中のことなので、見た目では判断できませんし、どこで蓄積してきたものが表面化するかはわかりませんが、そのヘルニアのタイミングがトリミングサロンに預けている最中ということも考えられます。
『細菌感染』
衛生管理をしっかりしているトリミングサロンではなかなか考えにくいですが、『細菌感染』も考えられます。
細菌感染したワンちゃんの排便排尿の臭いを嗅いだり、舐めたことで、細菌感染してしまいます。
店舗運営者が、除菌、消毒や掃除といった日常作業を怠っていたり、来店するワンちゃんの予防接種等の確認作業をせずに受け入れてしまうなど、衛生管理がしっかりしていない不潔なサロンであれば、もしかすると、その環境にいる他の子から細菌感染してしまうかもしれません。
また、よくあるのが、お散歩中です。
お散歩中に、草むらや電柱などの臭いを嗅ぐワンちゃんは多いですよね。
例えば、トリミングサロンに行く日に、朝いつも通りお散歩に出かけ、いつも通りにいろんな所の臭いを嗅ぎながらお散歩してた最中に、細菌感染した子の排便排尿から、感染してしまった。
症状が現れるまでには時間がかかる為、気づくことなくそのままトリミングに連れて行ったが、トリミング途中や帰宅後など、時間が経ってから、下痢や血便、嘔吐など、体調不良が出てきたということも考えられます。
トリミングに行く前の対策
帰宅後に、元気が無いなどのかわいそうな思いをさせないためにも、飼い主さまが愛犬に変わって対策をして、愛犬のストレスを緩和してあげることが大切です。
① トリミングに慣れさせる
生後5ヶ月目の予防接種終了してから、定期的にトリミングサロンを利用して、シャンプーや水、ドライヤーの風やその環境に慣れさせることが大切です。
成犬になってから、トリミングに連れて行ったり、お正月前や汚れた時だけなど、年に数回しかトリミングに行かないという状況だと、ワンちゃんがトリミング慣れしていない為、トリミングを行うこと自体が、ワンちゃんにとって過度に負担やストレスを感じてしまいます。
慣れていない子だと、預かり中の緊張した状況の中で、ヨダレを多く出してしまう子もいますし、見ていて可哀想になる時もあります。
そうならない為にも、飼い主さまが子犬の時から定期的にトリミングに連れて行って、トリミングを習慣化させてあげましょう。
また、初めてのトリミングや、子犬の時は、皆、水やドライヤーで、トリミングに慣れている成犬よりもかなり暴れてしまうものです。
暴れてしまう子の扱い方、安心のさせ方に慣れていない技術や経験の浅いトリマーが、子犬の時期に施術すると、嫌がって暴れていても、無理に施術をおこなおうとして、それが子犬の時にトラウマになってしまうこともあります。
子犬のうちは、経験の豊富なトリマーに担当して欲しいと、通っているサロンにお伝えするといいでしょう!
② トリミングサロンを固定する
固定で通っているトリミングサロンがなく、毎回利用するトリミングサロンを変えているという方は、その行為が愛犬にとって過度にストレスを与える原因となります。
子犬の頃から毎回、同じサロンを利用していると、慣れている匂いや、自分の匂いがすでについていますし、そこのトリマーもその子の性格や扱い方をよく知っています。
ワンちゃんも可愛がってくれるトリマーのことを覚えているので、飼い主さま家族と同じように、知ってる人だと安心できますよね。
でも、毎回違うトリミングサロンに行っていると、ワンちゃんにとって毎回、知らない、安心できる匂いもない。知らないワンちゃんの匂いがついている環境の中では、ずっと周囲に警戒してしまいますから、過度にストレスを感じて、家についた時には疲れ果ててグッタリしてしまうんですね。
トリマーも初めての子だと、どんな性格なのか、どこが苦手なのかをまだ完璧には把握できない状態で施術をしますから、毎回違うサロンに行くという子の方が、噛み癖や嫌がる箇所が多いです。
だから、毎回違うサロンに行くというのは、ワンちゃんにとってあまりオススメはできません。
③ 幼少期から社交性を身につける
『うちの子は犬が苦手』という方いませんか?
『社交性』は本来、産まれてから、親や兄弟と過ごす中で身につきますが、最近だと、産まれてすぐにペットショップに売られてしまい、兄弟や親から離されてしまうことで、社交性が育たないままになってしまうことが多いんです。
その上小型犬の場合、あまりお散歩にも行かず、家の中で、他の犬と触れ合うこともなく過ごしている子も多いですよね。
だから、社交性が身につかず、他の犬との遊び方や接し方がわからず、警戒して威嚇したり、逆にブルブルと震えてしまったりという犬嫌いが起こります。
そうやって、他の子と遊んだりする社交性が育たないまま成犬になってしまうと、いざトリミングサロンで知らない犬が集まる中に行くと、過度にストレスを与えてしまうことになります。
こういう性格の子は、ペットホテルでも過度にストレスになって、食欲がなくなったり、下痢をしてしまう場合もありますから要注意です!!
ドッグランに子犬の頃からよく利用していたり、トリミングサロンでも、フリースペースで他の子と遊べる環境のところを利用していると、他の多くのワンちゃんがいる環境でも、他の子との遊び方に慣れていて、ストレスなく元気に走り回って過ごせます。
でも、小さいうちに社交性を身につけさせることなく、他の犬が苦手になってしまうと、犬の沢山集まるトリミングやペットホテルに行くと、ストレスで体調を崩してしまう原因になってしまいます。
そうならない為にも、飼い主さまが小さいうちから、ドッグランや公園などで、他の子と触れ合う環境に慣れさせて、社交性を育ませてあげることが大切です。
④ ちょっとでも変化があったら止める!
トリミングに行く数日前に、下痢や血便をしていたり、嘔吐などがあったなら、トリミングに行くのは控えましょう。
また、元気でも、食欲がない、散歩に行きたがらないなど、ちょっとでもいつもと違う変化があったら、それはどんなに小さいことでも、担当のトリマーに伝えて、トリミングをするかどうかの判断をあおいでからトリミングをおこなうことが大切です。
⑤ 愛犬の情報は細かく伝える!
初めてトリミングサロンを利用した際に、どのサロンでも、愛犬の情報を聞かれると思います。
初めての子は、トリマー側も、その子がどんな性格なのか、どんな扱い方をすべきなのかがわかりませんので、施術前に聞いてから、その情報から扱い方を決めます。
そのため、過去に病気をしたことがあるのか?、関節が弱い、耳毛抜きや爪切り、シャンプーなど、今まで行ったサロンで言われた嫌がる箇所など、どんなに昔のことや、些細なことでも、できるだけ全ての情報を細かく担当トリマーに伝えた方が、トリマーもその子の性格や扱い方を決め、ストレスのないように施術を行うことができます。
今は元気でも、昔ヘルニアになったことがある。たまにしかならないけど、後ろ足が外れやすい(パテラ)、今は元気だけど、骨折した部位がある。など、どんなことでも全て、その子に合った正しい扱い方を考える上では、トリマーにとって必要な情報です。
飼い主さまがこれをしっかり伝えないと、どんなに技術や経験があるトリマーであっても、例えば、関節が弱いのに、健康な子と同じように施術して負担をかけてしまうなど、ワンちゃんにとってストレスの原因や体調不良の原因になることもありますからね!
また、他の犬が苦手なのに、それを伝えずに、フリースペースで他の子の沢山いる環境におかれて、ストレスに繋がったりもありますので、いつも一緒にいる飼い主さまが教えてくれるその子の情報は、安全に、ストレスなく過ごす上ではとても大切なことです。
⑥ 衛生管理の怠慢な場所は利用しない
予防接種やノミダニも含めて、ドッグランやトリミングサロンなど、施設を利用する際に証明書にて確認をしますが、そう行った確認作業を行なっていない施設や、施設が不潔な環境のところは利用しないようにしましょう。
思わぬ病気をもらってきてしまうこともあります。
特に、ドッグランに遊びに行く子の場合、ノミダニ予防を毎月しているのに、管理の甘いドッグランを利用した際に、ノミダニ予防をしてない犬から、ノミダニをもらってきてしまったということもよくある話ですよ。
⑦ お散歩中の行動
世の中には、義務である予防接種を一度も受けていないまま飼育したり、一度も動物病院に連れて行ったことがないような飼い主さまがまだまだ多く実在しますよね。
トリミングサロンなどの施設は、証明書等での確認をするので、そこにきている子たちは、予防接種などを行なっているのが当たり前、下痢をしていたら動物病院に連れていくのが当たり前。
でも、お散歩をしている子たちの全員がそんな健康な子だとは限りません。
それがあるから、お散歩中の細菌感染があるということになりますが、、、
なので、できるだけ電柱など排便排尿のついていそうな場所の匂いを嗅ぐ行為や草むら等での拾い食いなどをしないように、飼い主さまが注意するようにしましょう。
⑧ それでも心配なら
トリミングサロンによっては、トリミング中の様子が見られるように、トリミングルームが『ガラス張り』になっているところが増えています。
トリミング中の様子を、終始飼い主さまに見られている中で施術するのは、トリマーにとって、ちょっとした失敗も許されないという相当のプレッシャーやストレスを感じます。
そのため、技術や犬の扱い方に自信の無いトリマーは、飼い主さまにずっと見られるような、トリミングルームがオープンになっているサロンで働くことを拒み、トリミングルームが飼い主様から見えないように、壁で隔離されているサロンで働く傾向があります。
中には、ガラス張りでトリミングルームがオープンの造りでも、『ロールカーテン』等で、トリミングルームが見えないようにしているサロンもありますが、、
もしも、トリミングから帰ってくると元気がなかったり、他の子が苦手な性格、トリミングで愛犬がどんな扱いを受けているのかが心配の場合は、トリミングルームがガラス張りで、技術をオープンにしているサロンを選ぶと良いですよ☆
最後に、
いかがでしたか?
もしもトリミングの後、急に元気がない様子ならやっぱり心配になりますよね。
その理由を愛犬が話せたら一番ですが、それはできませんので、今日の話を参考にお店を選んだり、原因を考えてみてください☆
また、トリマーは、犬が好きで、その仕事についていますし、ワンちゃんも飼い主さまも皆が喜んで帰ってもらいたいという志を持って一生懸命やっている方たちばかりですので、ちょっとでも帰宅後に様子がおかしいと思ったら、どんなことでも通っているサロンに相談すると良いです。
ドッグアシルで、もしもトリミングから帰った後に、元気の無い様子なら、私たちも心配ですし、どんな些細なことでもご連絡いただきたいと思っています。
どんなサロンでも、やっぱり楽しい時間を過ごして欲しいと思っていますので、ちょっとでも何か変化があることを相談すれば、色々な可能性を考えて、きっとトリミング中楽しい時間が過ごせるように、一生懸命担当トリマーが改善点を考えてくれると思いますよ☆
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