2018.10.09 | コラム
子犬のトリミングはいつから行くのが理想的なのか?
子犬を始めて家族に迎え入れた飼い主さまからよくご相談いただく
『子犬はいつからトリミングをしても良いのか?』
今日は、子犬のトリミングデビューについてお話しようと思います。
子犬のトリミングデビューはいつから良い?
基本的には、『混合ワクチン接種』と『狂犬病注射』が終わった『生後5ヶ月〜』からトリミング受け入れを行うサロンが多いです。
生後5ヶ月より前に子犬はトリミングできないのか?
子犬は、まだ赤ちゃんです。おしっこの回数も多く、ウンチもゆるかったり、トイレシートの上での排泄などもまだ覚えていない時期。
自分のおしっこやウンチを踏んでしまったり、排泄物の上で寝てしまうこともよくありますよね。
すぐに、汚れてしまうので、こまめに洗ってあげたくなりますよね!
トリミングサロンでは、毎日多くのワンちゃんがやってくる環境ですから、『ワクチン接種』の終了後となっておりますが、
これには、病原菌の感染予防が関係しています。
子犬の混合ワクチンを接種する理由
子犬は病気に対する抗体が無い状態で生まれてきます。本来それでは、生まれた後にすぐに病気にかかって死んでしまうかもしれません。
しかし、それを防ぐために、『移行抗体』といって、生まれる時に、母犬から病原菌に対する免疫力を受け継いで生まれてきます。
そのまま母犬の抗体をずっと引き継げるなら、混合ワクチンを接種しなくても、病原菌に対する抗体を持っているので安心ですが、
この『移行抗体』は、時間の経過と共に減少していってしまうんです!!
また、この抗体がなくなってしまうまでの期間は、子犬によって個体差があり、長い子だと母犬の抗体を半年近く経っても体内に残っている子も入れば、数ヶ月で抗体が無くなってしまう子もいます。
その子が、抗体をまだ持っているのかは、見た目では判断できないため、『混合ワクチン接種』を行い、病原菌から守るための抗体を体内に取り込んであげるんですね。
混合ワクチン接種は1回接種で終わりじゃダメなの?
混合ワクチンの接種回数は、2回で終了の子も入れば、3回まで接種する子など、動物病院や子犬の個体差によっても変わってきます。
これはどうしてなのでしょうか?
そもそもなぜ複数回、期間を置いて注射を打つ必要があるのでしょうか?
これには、先ほど話た母犬からの『移行抗体』が大きく関係しています。
母犬から引き継いだ移行抗体は、どのくらい体内に残っているかは、子犬によって個人差があると話ましたね。
体内に移行抗体が残っている場合に、混合ワクチン接種をしても、移行抗体がいけないものが入ってきた!!とやっつけてしまうため、
混合ワクチンが効かないんです!!
そこで、ワクチンが効いているのかどうか?を基準として、定期的に2回から3回の接種を行うことになります。
ペットショップで子犬を迎えに行った時に、2回目の混合ワクチンが終わるまでは、お散歩に連れて行ったり、草むらに入るような外出は控えてください!
そう言われませんでしたか?
これも同じ理由で、外見で混合ワクチンが効いているのかどうか?という判断はできないため、1回ではまだ母犬の移行抗体が残っていて、混合ワクチン接種しても、効かない場合がある。
だから、家の外に出してお散歩は控えるように言われる理由です。
2回目の接種が終わると、1回目よりもワクチンが効いている子が多いから、軽く外に出してお散歩はいいよ!
でも、病原菌がどこにいるかわからない草むらの中に入ったり、他の犬との接触を控えるように、言われる理由です。
また、混合ワクチン接種を2回で終了!となるのも、2回目の接種でワクチンが効いているから、3回目は打たなくていいよ!ってことです。
トリミングサロンデビューは混合ワクチンが鍵!
上で話してきたように、トリミングサロンには、毎日たくさんのワンちゃんがやってくる場所です。
トリミングにくる子達も、皆予防接種の確認が取れている子しかきていませんが、子犬は、病原菌に対する免疫力が低いため、万が一を考えて、混合ワクチンの予防接種が済んでから受け入れるということになります。
なので、例えば生後4ヶ月の子犬でも、もしも、2回目の混合ワクチンが効いていて3回目を打たなくて良い!と動物病院の医師から診断され他場合には、他の接触を避け、シャンプーすることは可能ですよ☆
子犬にオススメのトリミングサロンの見つけ方
人の赤ちゃんと同じように、子犬は、まだ病原菌などに対する抗体や免疫力が低い状態です。
人の赤ちゃんなら、哺乳瓶などを煮沸して殺菌したりしますよね!
そんなか弱い子犬だからこそ、ただ料金が安いから!とか、近所にあるから!というだけでトリミングサロンを選ぶのは危険!
子犬にオススメのトリミングサロン選びで一番大切なことは、『清潔・清掃』です!
具体的に子犬にオススメのトリミングサロン選びのポイント
1、 清潔か?
最近できたばかりのトリミングサロンは、やっぱり新しくて綺麗ですよね!
でもちょっと待って!
見た目は、新しくて綺麗なサロンでも、それだけで『清潔』と考えるのは危険ですよ!
掃除や除菌、消毒作業というのは、店舗によってそれぞれ違います。
年数が経っていて、建物の経年劣化はしているけど、掃除や除菌・消毒を徹底している綺麗なサロンもありますし、
まだ開業から1年など新しいのに、掃除をおろそかにしているため、すでにバスタブ周りに黒カビが発生して汚い状態だったり、
エアコンや部屋の隅に、ホコリや毛が密集していて不潔なサロンもあります。
特に、毎日多くのワンちゃんを洗う『バスタブ』は、雑菌の繁殖が一番しやすい場所。
丁寧に掃除した後に、除菌、消毒を行なっていないサロンのバスタブは、表面は綺麗でも、排水溝が黒カビでビッシリなんてこともよくあります。
また、一頭入ったごとに犬舎の消毒をしないサロンは、そのまま同じ犬舎に入れ替わり立ち代わり他のトリミング待ちの子を入れている場合もあります。
気になったサロンには、予約前にまずは実際に足を運んでみて、『清潔』かどうかを実際に目で見て確認し、気になったことは店員さんに質問することをオススメいたします。
2、トリミングルームを覗ける窓があるか?
施術中、お客様にずっと見られていると、トリマーもかなり緊張とプレッシャーを感じます。
技術や犬の扱い方に自信のないトリマーは、施術中の様子が飼い主様から見られないサロンで働きたいと思うものです。
トリミングルームに窓を設けて、飼い主様から見れるようにオープンにしているサロンの方で働いているトリマーの方が、犬の扱い方に自信のあるトリマーが多い傾向にあるため、1つのサロン選びのポイントとして見るといいですよ☆
また、トリミングルームをオープンにしていても、『ロールカーテン』等を下ろして、施術の様子を見れないようにしているサロン。
これは、見られるプレッシャーが嫌で隠してしまう裏返しなので、オープンでも『ロールカーテン』等で隠しているサロンはあまりオススメできません。
3、トリミングテーブルの上にアレがあるか?
トリミングテーブルには、ワンちゃんを保定する『アーム棒とリード』が設置されています。
『テーブルの上でリードをされているのはなんだか可哀想』と感じる飼い主様もいるかと思いますが、
もしも、トリミングテーブルの上から飛び降りてしまったら、『骨折』などの大きな怪我や、最悪死んでしまうなどの大きな事故が起こってしまうかもしれません。
ドッグアシルが加盟している『ペットサロン協会』でも、全国各地の加盟サロンで、トリミングテーブルから飛び降りて起こった事故というのが毎年報告されているんですよ〜!!
特に、子犬はまだ体が完全には出来上がっていませんから、万が一トリミングテーブルから飛び降るような事故があったら、大きな事故に繋がります。
トリミングサロンは、お客様の大切な家族を、怪我や事故なく、安全にお客様のもとに返すというのが当たり前のことですので、
トリミングサロン側が、安全管理を徹底しなければいけませんよね。
それでも、トリミングサロンによっては、腕に自信があり、トリミングテーブルの上に『アームやリード』を設置せず、
保定せずに施術を行なっているサロンもあります。。。
どんなに慣れていたとしても、何が起こるかわかりませんので、安全管理を怠ることはよくないですよね。。。
特に子犬は、よく歩き回る子も多いですし、初めてのトリミングデビューで、まだトリミングに慣れていないと、ドライヤーの音や風、シャワーなどに反応して嫌がる子もいますからね。
気になったサロンが、お客様に対してどういう気持ちでサービスを提供しているのか?
その物差しの1つとして、しっかりトリミングテーブルの上に、アームとリードを設置し、ワンちゃんをトリミングテーブルの上にのせる時には、しっかりとリードで保定しているかを見るといいですよ☆
トリミングデビューは子犬から勧める理由!
犬種にもよりますが、チワワなど、あまりカットをしないで済む子は、トリミングサロンには行かずに、自宅でシャンプーや爪切りをしているという飼い主様を多いと思います。
長く色んな子を見てきたトリマー目線でアドバイスすると、
もしも将来的、又はお正月前などの年に一回でも、トリミングサロンを利用しよう!と考えている飼い主様は、子犬のうちからトリミングサロンに定期的に行って慣れさせてあげることをオススメします。
子犬の性格や体が構成されてくるのは、生後9ヶ月くらいと言われています。
トリミングで苦手箇所の多い部分
シャンプーとシャワー
ドライヤーとブラッシング
爪切り
耳掃除
ハサミとバリカン
他の犬
上記の通り、トリミングサロンの施術工程には、シャンプーから乾かし、ブラッシング、カット、爪切りと色んな作業があり、その作業の中で、バリカンやブラシ、ハサミ、ドライヤーといった色んな道具を使います。
この道具は、たとえば、ドライヤーの風や音にびっくりする子もいますし、シャワーの顔周りにかかる水や音にびっくりする子もいます、
中には、バリカンの音や、顔周りをハサミでカットする際の、『シャッシャッシャツ』っと切れる音に反応して暴れてしまう子もいます。
飼い主様が家で爪切りやブラッシングを行なっているという子や、トリミングスクールのカット犬として出していたという子は、
今までの痛い思い出がトラウマになってしまって、いざトリミングにくると、爪切りやブラッシングを極度に嫌がって怒ってしまう子も多いです。
これが、成犬になってから初めてのトリミングデビューだと、水嫌いで大暴れしてしまったり、バリカンの風を嫌がって大暴れしてしまう子や、動物的本能で、体に触れられることを嫌がる子も多いです。
トリミングは、ハサミやバリカンなどの刃物を使って作業していますので、これでは怪我のリスクが高くなってしまいます、、、
だからこそ、家でできるから良いや〜ではなく、
子犬のうちから、定期的に『トリミング』に慣れさせてあげることが大事ですよ☆
トリミングもしつけと同じで、『小さい時』から、定期的になんどもなんども慣れさせてあげて、『体を触られたり、ドライヤーやシャワー、バリカン』などに慣れて、『トリミングは綺麗になれる安心できるところ』という状態を作ってあげましょう☆
又、トリミングテーブルの上は、床から高さもありますし、歩けるスペースも決まっています。
トリミングサロンにきている子たちの多くを見ていると、トリミングテーブルの上で大人しくしてジッとしていますが、みんな小さい頃からトリミングに慣れているので、ジッとしていることが当たり前でそこにストレスを感じていませんよね。
これが、成犬からトリミングデビューすると、全てが初めての体験で、今までの人生の中で感じたことがない刺激のため、トリミングテーブルの上にのせられることすら過度のストレスを感じて『ヨダレ』が出てしまいます。。。
成犬以外にも、トリミングに出すペースが、年に一回や半年に一回など、長期的に空いている子も、やはりトリミングという空間に慣れていないため、同じ傾向にあります。
せっかく可愛く綺麗にしてもらうのに、それがストレスになってしまうのは可哀想ですよね。。。
だからこそ、飼い主さまが、小さい頃から定期的にトリミングに連れて行って、慣れさせる習慣をつけることが大切ですよ☆
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