2018.09.08 | コラム
トリミングサロンが毛玉料金を取る理由と愛犬の毛玉対策

トリミングサロンに行っているお客様の中で、特にトイプードルやビションなどの場合、定期的にトリミングに行っているのに、『毛玉料金』が追加された経験がある方も多いのではないでしょうか。
トリミングのペースが3ヶ月に1回など、期間が空いているならまだしも、
1ヶ月に1回のペースで毎月トリミングに行っていたり、ご自宅で毎日『ブラッシング』をおこなっているのに、毛玉料金が追加されたことに疑問を感じている飼い主さまも多いのではないでしょうか。
前回お話した『抜け毛料金』と同じように、どのトリミングサロンでもよく聞く『毛玉料金』も不明瞭会計で、お客様の誤解や不満足を生みやすい料金の1つです。
そこで今日は、『毛玉料金』について書こうと思います。
毛玉について
お客様の中には、『毛玉があるからバリカンで短くしてくれれば良い!』とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。
毛玉があっても、バリカンで丸刈りすれば、毛玉はすぐ簡単にとれるように感じますよね〜
でも実は!!
バリカンでも毛玉によってはバリカンの刃が通らず刈れなくなってしまうことが多々あります(笑)
そのため、トリマー にとって、毛玉のある子の施術というのは、かなり大変だと感じる施術の1つです。
トリマーが一番神経を使うトリミング
苦手箇所があり、トリミング台の上で暴れたり、噛んだりする子
毛玉がひどい子
高齢犬
この3つはトリミング施術の中で特に一番神経を使います。
トリミングは危険と常に隣り合わせの仕事
トリミングは、バリカンやハサミといった刃物を使ってカットします。
それも、目の周りまで被毛で覆われているカット犬種は、そこまで刃物が近ずくということです。
特に私たちトリマー の使っている『ハサミ』ですが、
人の髪の毛よりも細くて柔らかく、毛量や密度も高い犬の毛を切るためには、市販で売っている家庭用ハサミと同じくらいの切れ味のものだと、カットができません。
例えば、今ご家庭にある『ハサミ』の刃の部分を、指で軽くなぞってみてください。
おそらく、なぞった指の皮が切れたり、怪我することはないですよね。
でも、私たちトリマー が使っているハサミの『刃』は、軽く指でなぞっただけで、簡単にスッパリと切れます(笑)
それくらい切れ味がよくないと、仕上がりまでに膨大な時間もかかるし、被毛の面が綺麗に揃わずに、ボコボコになってしまうんです。
そんなよく切れるハサミと、高速で刃が動くバリカンを使っていますし、
全身被毛で覆われており、背中のように、ボディラインがまっすぐ平らなら良いのですが、足の関節など、凸凹のあるボディラインに、バリカンやハサミを使ってカットします。
皮膚の皮はとても薄くて柔らかいため、この凸凹の部分が一番怪我の原因となりやすく、
ただでさえ切れ味抜群の刃物を使っていますので、ちょっと当たっただけでも怪我を招く恐れがあります。
人の美容室の美容師さんが使っているハサミも同じく切れ味抜群のハサミですが、
美容室に行ってる方の中で、前髪をきっている時や、目の近くにあるときに、わざわざハサミに向かっていく方はいないですよね(笑)
もしハサミが目に入れば怪我をしてしまう。
急に動いたら危険だ!
そう考えて、わざわざ自分から痛い思いをしようする人はいませんが、
ワンちゃんは、そんな奇想天外な行動を普通にします(笑)
例えば、
顔まわりをカットしているときに、そのハサミに向かって、噛みつこうとする子もいます。
そんな予期せぬ行動をする場合や、被毛で覆われていて見えずらいボディラインの凹凸で怪我につながらないように、
私たちトリマー は神経を集中させて、ワンちゃんの性格や行動を観察しながら、常に危険予知し、全身のカットをしているんですね。
普通のトリミング施術の場合でも、これだけ神経を使ってカットしますが、毛玉の場合は、もっと怪我のリスクが高いため、普通の施術の数倍神経を集中させてカットしています。
毛玉の施術工程について
毛玉は、脇の下や足など、擦れて『静電気』の起きやすい場所にできやすいのはみなさんもご存知かと思います。
この場合、毛玉になった部分が、『皮膚表面から離れた部位』にできている場合は、根元からバリカンも入りやすく、皮膚から離れているため怪我のリスクも少ないです。
毛玉で一番注意が必要なのが、皮膚の表面、毛の根元あたりに固まってできている場合です。
大抵毛玉のひどい場合は、この皮膚表面の毛の根元に、毛が絡みあって、フェルト状になっています。
また、生えている毛と抜けた毛が密度濃くフェルトのように絡み合っているため、皮膚の通気性が遮断されて、皮膚自体も『炎症』したり、『乾燥』して肌が敏感になっている場合もあります。
そんな弱っている皮膚は、軽くブラッシンしただけでも、すぐに傷ついたり、炎症反応が出やすくなっています。
でも、毛玉が毛の根元でフェルト状になってしまうと、バリカンがまず入らなくなってしまうため、毛をほぐす必要があります。
このほぐす作業が大変で、皮膚に近い分、毛玉をほぐそうと普通にブラシを入れれば、皮膚がブラシで傷ついてしまいますし、
表面だけ軽くほぐすだけでは、密度濃くフェルト状になっている毛玉にはビクともしません。
この力加減が重要になってきます。
トリマー は、皮膚を傷つけないように、細心の注意を払い、少しづつ時間をかけてほぐしていきます。
ご自宅で日常的にブラッシングしてても毛玉ができるワケ
毛玉になりやすいトイプードルなどは、ご自宅でブラッシングをしている飼い主様も多いですよね。
毎日ブラッシングしているのに、毛玉料金を取られた!!
そんな経験をしたという方もいるのではないでしょうか?
一度できてしまった根元の毛玉というのは、ブラシを軽く通しただけでは取れることはありません。
また、毛がもつれやすいトイプードルやビションフリーゼなどのカット犬種の場合、もつれてしまった毛の根元は、ブラシで簡単にはほぐせないため、
ブラシが通りやすい、毛の半分から毛先にかけてブラッシングをおこなっている場合が多いです。
この場合、表面的な見た目は毛がふんわりと立ち上がり、綺麗にブラッシングできているように見えますが、
毛玉の原因となる根元付近のもつれや、すでにできてしまった毛玉が残ったままになっているということがその原因です。
ご自宅でシャンプーされている方は注意が必要!!
トイプードルやビションフリーゼの愛犬をご自宅でシャンプーされている飼い主様もいると思います。
ご自宅でのシャンプーは毛玉の1番の原因になりやすいです。
特にこの場合、フェルト状の密度の高い頑固な毛玉になってしまう場合が多いので、シャンプーする際は以下のことに注意すると良いですよ。
毛玉を防ぐ自宅シャンプーのポイント
シャンプーする前に!
愛犬をいきなりシャワーで濡らしてシャンプーするのはちょっと待った!!
水に濡れると、毛がもつれているところがさらに絡まり合って、頑固な毛玉になってしまいます。
シャンプーする前は、しっかりと『ブラッシング』してから行うのがポイントです!
ブラッシングで、毛玉やもつれをしっかりとほぐしてからシャンプーするようにしましょう。
シャンプー中に!!
シャンプーをする際に、汚れや体臭を取ろうと、『ゴシゴシ』手で洗うのはちょっと待った!!
これも毛が絡まりあって毛玉の原因となります。
風呂桶にシャンプー剤と希釈量に合わせた少量のお湯を加え、市販で売られている『泡だてネット』でしっかりと『泡』を作ってから、
そのまま泡だてネットで『泡の力』で優しく洗うイメージで全身を洗ってあげるのがポイントですよ!
シャンプーの洗い流し時!!!
シャンプー剤が残っていると、フケや乾燥の原因のほか、毛玉の原因にもなります。
シャワーでしっかりと洗い流すのがポイントです。
シャンプー後!!!!
シャンプーをしたあとは、必ずドライヤーで乾かしてください。
濡れたまま『自然乾燥』をすると、毛が絡み合った状態で乾いてしまい、根元でフェルト状の頑固な毛玉になってしまいます。
また、トイプードルなどのカット犬種は、ドライヤーで乾かす際に、必ず『ブラシ』で毛を伸ばし、絡まった部分をほぐしながら乾かしましょう!
ブラシを使わずに乾かすだけだと、『自然乾燥』の時と同じ状態になってしまい、やはり頑固な毛玉が毛の根元に密集してしまいます。
上記のように、シャンプーで毛玉にならないようにするには、いくつものポイントと工程がありますので、
トリマー から本音で話すと、カット犬種の場合は、ご自宅のシャンプーは、あまりオススメはしません。
上記の工程のポイントを抑えずに洗ってしまって、一度できた毛玉は、かなり頑固で、毛の根元で広範囲に渡って絡みあってしまうため、毛玉を取るのがかなり難しいです。
また、この場合は、バリカンも通らなくなってしまいますので、時間をかけて皮膚を傷つけないように少しづつほぐしていきます。
そのため、施術時間も長くなりますし、ワンちゃんにとって、負担が大きくなってしまいます。
この毛玉を、トリミングに行く前に、ご自宅で無理にブラシで引っ張って取ろうとする飼い主さまもおりますが、
引っ張られて『痛い』ということがトラウマになってしまって、トリミングでブラッシングを極度に嫌がって暴れてしまうという原因に繋がってしまいます。。。
トリミング嫌いにならないためにも、プロである私たちトリマー にブラッシングやシャンプーはお任せいただくのが一番いいかと思います。
ご自宅でシャンプー
↓
皮膚に近い毛の根元の毛玉がひどくなる
↓
その毛玉をとってトラウマになる
というのを繰り返して、トリミング嫌いやブラッシングが苦手になっている子も多いので、
もしも、毛玉になっているなら、無理に引っ張って取ろうとせずに、今利用しているトリミングサロンにブラッシングをお願いするといいですよ!
ブラッシングにオススメのブラシの種類
ご自宅でブラッシングするときに、オススメのブラシは以下です。
スリッカーブラシ
コーム
ブラシの使い分け方
スリッカーブラシ
スリッカーブラシは、もつれている毛をほぐす際に使用します。
ブラシは、アルミ製で毛先一本一本が硬いため、力いっぱいブラッシングすると、皮膚を傷つける原因となりますので、力を入れすぎないように注意してブラッシングするといいですよ。
ブラッシングする際は、毛の流れにそって、根元から毛を立ち上げるイメージで、毛のもつれている部分や毛玉になっている箇所をほぐすようにブラッシングします。
コーム
コームは、根元のもつれや毛玉が取れているのか、確認のために使用するといいですよ。
毛の流れにそって、毛の根元からコームを通してみてください。
もしもまだ毛玉やもつれが残っているなら、毛がひっかかるので、ひっかかった部分は、毛玉やもつれが残っているサインです!
小さいモツレは、そのままコームで力を入れずにちょっとずつとかしてあげると簡単に取れますが、
毛玉は、コームで無理に引っ張ってしまうと、皮膚を傷める原因となってしまいますので、スリッカーブラシに替えて、また毛玉の箇所をゆっくりほぐしてあげてください。
スリッカーブラシでほぐせたと思ったら、コームを通して確認。またスリッカーでほぐして、コームで確認と交互に行なってあげるといいですよ。
ブラッシングのポイント
乾燥する冬場は、被毛の水分量も少なくなり、毛玉の原因となる『静電気』が起きやすい時期です。
そんな時期にオススメなのが、『ブラッシングミスト』です。
ブラッシングする前に、ブラッシングミストを使ってから行うことで、被毛に潤いを与え、静電気を抑制できるだけでなく、
皮膚に潤いを与え、ブラッシングの刺激を緩和する効果もあります☆
また、ブラシの通りをよくしてくれますのでオススメです。
最近では、ブラッシングミストも各社色んなメーカーから販売されています。
ドッグアシルのお客様には、その中でも私たちが実際に使ってみて、一番効果のあるブラッシングミストをご紹介していますが、
ブラッシングミストと言っても、どれも効果や成分が違いますので、お近くのペットショップでブラッシングミストを購入されるときは、
店員さんに愛犬の『被毛の状態』や『犬種』をお伝えして、一番目的に合うものを提案してもらうと良いですよ!
最後に
今日は、トリミングサロンの毛玉料金についてお話しました。
良かれと思ってご自宅でおこなっているブラッシングやシャンプー自体が、『トリミング嫌い』『ブラッシング嫌い』を引き起こす原因になっていることもあるんですね!
ドッグアシルでは、冬場の時期、ラグジュアリーコースをオススメしています。
皮膚と被毛の保湿効果の高いラグジュアリーコースは、皮膚の乾燥予防だけではなく、静電気による毛玉予防にも効果的で、
冬場の時期は、ご利用のお客様が非常に多いコースです。
気になる方は、ぜひドッグアシルにお越しくださいませ☆
今日のポイントを思い出して、ぜひ正しい方法で、日常のケアをおこなってあげてください☆

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