2018.10.23 | コラム
犬の口臭や歯周病は歯磨きだけで大丈夫??
最近、トリミングに来るお客様の8割ほどが、歯磨きを利用されています。やはり、犬の病気の中で、歯周病になる子が非常に多く、口臭が強くなったり、歯抜けなどが気になって対策されている方が増えた証拠ですね。
昔なら、『歯磨きなんてあるんだ〜(笑)』という声が多かったのが、
最近だと、お客様の方から当たり前のように歯磨きもお願いします!と言われるようになりました。
ただちょっと待ってください!!
トリミングの時に、歯磨きをしていれば、歯周病や口臭は防げるのでしょうか??
今日は、犬の歯磨きについてお話いたします。
犬に歯磨きが必要な理由
そもそもなぜトリミングの時に、歯磨きを利用されるお客様が多いのでしょうか?
ワンちゃんがニカッと笑うと、奥歯や、歯と歯の間に黄色く『歯石』が付着していませんか??
これをそのまま放置していると、歯周病になり、口臭が酷くなったり、歯が抜けてしまうなんてことが起こります、
混同されている飼い主様もいるかと思いますが、『歯周病』は、『虫歯』とは違います。歯の表面ではなく、歯周ポケット(歯茎)の病気ですよ〜☆
また、人と違って犬は虫歯になりずらいというのも最近だと皆さん知っていますよね。
歯周病が進行すると、血液中に歯周病菌が入り、肝臓病などを引き起こすこともあるとっても怖い病気。
歳をとってから、歯周病対策を初めてもすでに遅く、口臭や歯がボロボロに抜け落ちて、舌がベロンっと出ている子もいますので、若い頃から歯磨き習慣をしてあげる必要があるんですね!
でも、口に歯ブラシや手を入れられる事を嫌い、歯磨きを嫌がるワンちゃんも多いので、小さいうちから『歯磨き』をすることに慣れさせる必要があります。
犬の歯周病対策は歯磨き
歯周病を防ぐために歯磨きをしますが、ここには『歯垢』と『歯石』が関係しています。
歯垢とは
ご飯の食べかすなどの糖分を餌に、口内では細菌が繁殖しますが、その細菌を固めて守ろうとする働きがあります。
この細菌が集まった集合体が『歯垢』と呼ばれるものです。
歯垢は、まだベトベトしている状態で、この状態であれば『歯磨き』で除去することができます。
歯石とは
ベトベトした歯垢を放置していると、唾液に含まれるカルシウムなどと結合し、石灰化を始めます。
石灰化というのは、石のように固まってくることですね!
歯垢が石灰化し、歯石になるのは、『3日程度』と言われていますが、一度固まって歯石になってしまうと『歯磨き』では除去することができません!
もちろん、歯磨きを続けていると、歯石が塊ごとポロっと取れることはありますが、歯石になってからいくら歯磨きを頑張ったとしても、歯石の中の細菌には届きませんから、根本的な改善にはならないんですね。
だから、歯磨きは、歯垢のうちに拭き取って、こまめに対策してあげることが大事です!
歯石を放置すると
歯石は奥歯の歯茎の近く、歯と歯の間にまたがって固まりやすく、この石灰化した状態の中では細菌が増殖しています。
これを放置していると、歯茎が赤く腫れたり、血が出る『歯肉炎』を引き起こし、さらに細菌が進行したのが『歯周病』となります。
この歯周病は、歯茎を溶かしていき、歯がグラグラになったり、抜けてしまったり、口臭を悪化させてしまうんですよ〜!!
もしも、最近口臭が気になるな〜と思ったら、まずは、奥歯に『歯石』ができていないか見てあげてください。
歯磨きのペースは?
上で書いたように、歯磨きの効果を発揮するのは、歯石になる前の『歯垢』のうちに除去してあげることが大事です。
つまり、忙しくて毎日歯磨きをしてあげることができなくても、『3日に1回』のペースで歯磨きをしてあげると、歯石がつきづらくなります!
トリミングの歯磨きは効果なし?
トリミング期間は、早い方で『二週間に一回』、一番多いのは『1ヶ月に一回』のペースで利用される方が多いですよね。
そうなると、トリミングの度に歯磨きをしていても、ご自宅でケアされていないと、どうしても歯垢の石灰化は防げません。
ただ、ご自宅だと嫌がって歯磨きをさせてくれなかったり、歯磨きをしっかりしているようで、ちゃんとに歯垢除去できていないこともあります。
だから、いつもご自宅で歯磨きしながら、トリミングの際に、磨きずらいところをしっかり磨いてもらう方が予防に繋がります。
また、トリミングサロンでは、歯周病菌を殺菌する成分が入った歯磨き粉を使用していたり、シートだけではなく、歯ブラシを使用して行なっているところもあります。
でも、トリミングに行った時にいつも歯磨きもしてもらってるから、もう歯周病予防対策は完璧よ〜!!っと安心してしまうのは良くないですよ!!
歯磨きの方法は?
歯磨きの仕方にはいくつか種類があります。
歯磨きオヤツタイプ
これは、ご自宅でオヤツとして、あげているという方も多いですね!種類も豊富で、繊維の棒状のものや、凹凸が付いていて、噛みながら歯磨きをするタイプなどがあります。
口に手や歯ブラシを入れられることが苦手な子も、オヤツタイプなら簡単に予防ができて一番楽ですね!
ただ、効果は低いです。
その理由は、ワンちゃんは、オヤツを噛むところが偏っている子が多く、片方の奥歯でしか噛んでいないこともあります。
そのため、全ての歯に均等に磨くことが難しくなってしまいます。
もしオヤツで予防する時は、飼い主が手で持ちながら、均等に噛ませながら与えるといいですよ☆
歯磨きシートタイプ
これもご自宅で利用されている方が多いですね。
最初から歯磨き成分が染み込んでいる歯磨きシートを指に巻きつけて利用します。
シートの形状を自由に変えることができるため簡単に歯磨きを行うことが可能ですし、中には、シートにミクロの凹凸ができていて、歯垢を付着させやすいタイプのものがあります。磨けているのかも指でわかりやすい。
そのため、初めての歯磨きは、歯磨きシートからやって、口にものが入ることに慣れさせてあげるといいです。
歯ブラシタイプ
歯ブラシで磨くタイプです。人の歯ブラシと同じような形状のものや、指サックの先にブラシが付いているものなどがあります。
やっぱり歯ブラシでしっかり磨いてあげることが効果が高いです。
でも、小さい時から歯ブラシで磨いていないと、歯ブラシを嫌がって暴れてしまったり、噛んでしまって全然磨けないという声が多いです。
しっかり磨けば一番効果があるけど、暴れてしまったり、噛んでしまって全然磨けず、歯磨きの意味がなくなってしまうこともあります。
特に奥歯や歯の内側を磨くのが難しく、磨き残しが起こりやすいデメリットもあります。
歯磨き粉の種類
歯磨き粉の種類も色んなものがあります。トリミングサロンによっても使用している歯磨き粉は異なっています。中には、歯周病予防効果はありませんが、ワンちゃんが舐めても無害のサプリメント成分だけで作られたものや、細菌への殺菌成分がしっかり入ったものまでありますので、今通っているトリミングサロンでは、どんなものを使っているのかを聞いてみるといいかと思います。
歯石をとるには?
歯石は、歯磨きでは取りきれないため、動物病院で除去してもらいます。
中にはトリミングサロンで、『歯石除去』を謳っているサロンがありますが、トリマー は動物病院の医師とは違い、歯の構造等、正しい知識を勉強してきたプロではありません。
歯石除去グッズも最近では通販サイトで一般的に市販されていますが、正しい知識もなく、無理に歯石を除去すると、歯を傷つけてしまって、逆に歯がグラグラになったり、歯石がつきやすくなってしまうなどのトラブルを引き起こすこともありますので、動物病院の医師に施術してもらいましょう。
最後に
いかがでしたか?成犬になってから歯磨きを始めたり、三日に一回歯磨きをするなど、大変なことも多々ありますが、歳をとった時に、歯がボロボロになってしまうことを考えると、若いうちから歯磨きをしてあげたいですね。
最近のトリミングサロンでは、トリミングを利用しなくても、歯磨きだけを単品で提供しるところも多いので、もしご家庭で歯磨きが難しい場合は、今通っているトリミングサロンに相談してみるといいと思います。
ドッグアシルでは、動物病院でも使用されている歯周病菌や細菌を殺菌する成分が含まれた歯磨き粉を使用し、歯磨きが苦手な子は歯磨きシートタイプを使用。
歯ブラシを購入したお客様は、毎回の歯磨きの際に、歯ブラシを使用して施術しています。
もし、これから歯磨きをしたいというお客様は、どんなことでもご相談くださいませ。
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