2021.09.11 | コラム
犬の鼻の色が変わる理由。何かの病気のサイン?!

こんにちは!みなさんの愛犬の鼻の色は何色ですか?
黒やピンクなどさまざまだと思います。昔はピンク色だったのに、今は黒い。やその逆のパターンもあるかと思います。
では、なぜ犬の鼻の色は変わるのでしょうか?詳しく見ていきましょう!
そもそも犬の鼻は濡れている?
犬の鼻の先端のことを「鼻鏡」や「鼻平面」、鼻筋のことを「鼻梁」と言うのですが、鼻鏡は冷たくしっとりと濡れていますよね。
鼻水だと思われている飼い主さんが多いのではないでしょうか?実は、鼻水ではなく、腺細胞から分泌される液によって濡れています。
この成分によってニオイの成分を吸着し、敏感にニオイを感じ取ることができるんです!
犬の鼻の色
鼻鏡の色は犬種や一匹一匹それぞれに個性がありますよね。
- 真っ黒
- ピンク
- こげ茶色
- 薄茶色
- ピンクに黒い斑点
犬の鼻鏡の色に決まりはなく、色だけで正常か異常かを判断することはとても難しいです。
しかし、鼻の色が変化してきたのであれば、原因として「生理的なもの」と「病的なもの」による変化なのではないかと考えることができます。
生理的な鼻の色の変化
加齢
年齢を重ねるごとに鼻の色が薄くなっていくことがあります。
加齢によってメラニン色素を生成する働きが低下するからなのではないかと考えられています。
季節
冬になると鼻の色が一時的に薄くなることがあります。
冬の間は日照時間が短く、紫外線を浴びることが少ないためです。冬に犬の鼻が一時的に薄くなることを「ウィンターノーズ」もしくは「スノーノーズ」と呼んでいます。
遺伝
交雑によって、遺伝的に色素が薄い犬の場合、子犬の時は鼻の色が濃かったのに、成長するにつれ色が抜けてくる犬もいます。
鼻の怪我
鼻をゲージにこすりつけたり、ぶつけたり、やけどや怪我などをしたりすると、その部分だけ色が抜けてしまうことがあります。
傷の深さによってもとの色に戻ったり、そのまま色素が抜けた状態になります。
洞欠乏症
胴は色素成分であるメラニンの生合性に欠かせない成分のひとつです。体の中の胴が不足すると、メラニン合成が低下し、毛や皮膚の色の色素が薄くなることがあります。
栄養バランスの良いフードを食べている場合は、ほとんど発症しません。
病的な要因
自己免疫に関連する病気なのですが、全身の臓器を浸す「全身性エリテマトーデス」
皮膚のみに症状があらわれる「皮膚型エリテマトーデス」の2つに分類することができます。
犬の鼻の色が変化した場合、皮膚型エリテマトーデスであると考えられます。皮膚型エリテマトーデスは、円盤状エリテマトーデスと呼ばれることもあります。
皮膚型エリテマトーデス
急性期には
- 鼻や眼のふちの黒い色素が落ちる色素脱
- 皮膚の赤み
- フケなど
の症状が見られます。
慢性期には
- 皮膚の潰瘍化
- カサブタなど
とくに紫外線の影響を受けやすい鼻鏡や鼻梁は症状があらわれやすい傾向にあります。
原因
皮膚型エリテマトーデスの詳しい原因はまだ判明していないそうですが、日差しの強い季節に発症することが多いため、紫外線の影響ではないかと考えられています。
シェットランド・シープドッグやコリーなどによく見られる症状のため、遺伝的な要因も関連していると思われています。
治療法
皮膚型エリテマトーデスの主な治療法は紫外線を避けることと、犬用の日焼け止めを使用することです。なるべく日光が当たらないようにさせましょう。
ぶどう膜皮膚症候群
眼と皮膚に異常が起きるという特徴があるのですが、皮膚よりも眼の異常に気付く飼い主さんが多いようです。
眼に異常があらわれた場合
- 眼をショボショボする
- 眼が赤くなる
- 涙が増える
- まばたきが増えるなど
さらに、鼻鏡・眼の周り・口の周り・肛門・肉球などにも異常があらわれ、鼻鏡の色が脱色され薄くなることがあります。
原因
ぶどう膜皮膚症候群も詳しい原因はわかっていませんが、おそらく遺伝的な要因が関連しているのではないかと考えられます。
多くの犬種に発症が認められているようなのですが、特に秋田犬やシベリアン・ハスキー、ダックなどに多く見られています。
治療法
ぶどう膜皮膚症候群は自己免疫疾患なので、ステロイドの全身投与が基本的な治療法となっています。
ただ、ステロイドは副作用が強いため、シクロスポリンなどの免疫抑制剤の投与が必要になる場合があります。
鼻鏡の色が薄くなること以上に、眼に異常が現れた場合、網膜剥離や緑内障などの合併症が心配されます。
失明してしまわないように早期治療が必要になります。
まとめ
いかがでしたか?
犬の鼻の色が変わってしまうのは、遺伝や季節、怪我など原因はさまざまでした。
生理的要因の他、病的要因もあるので注意が必要です。
愛犬の鼻の色が変わってきたなと思ったら、症状などを見て、心配になったら動物病院へ行きましょう。

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