2021.10.11 | コラム
犬が血便をしている?!考えられる病気は?

こんにちは!トリマーの黒岩です(^^♪
犬の便は毎日の健康状態を確認するのに大切なことです。
色や固さ、におい、回数、量など犬によって様々ですが、異常があったときにすぐ気づけるように毎日観察するようにしましょう。
その中でも「犬の血便」についてお話したいと思います!
contents
血便は赤いの??
赤い血便
直腸や結腸などの肛門に近い部分で出血が起こると、鮮やかな赤色の血便が出ます。
また、消化管からの出血はなくても、肛門自体に出血が起こっていて、それがうんちに付くこともあります。
黒い血便
食道や胃、十二指腸などの肛門から遠い部分で出血が起こると、排便までの間に消化酵素などの影響で血液が黒く変色し、赤黒い血便が出ます。
お口の中の腫瘍やポリープから出血があると、それを飲み込んで黒い血便が出ることもあります。
考えられる原因
ストレス
環境の変化に弱い犬は、遠くへのお出かけや、ペットホテル、来客などでストレスがかかるとお腹の調子を崩してしまい、血混じりの便をすることがあります。
このような犬にはできるだけ普段と違った環境などでストレスを与えないように心がけましょう(><)
食事によるもの
食べ物に対するアレルギーがある場合、軽度の血便がみられることがあります。
また、食事の急な変更や与えすぎで消化不良を起こしお腹の調子を崩してしまうと血便が出ることがあります。
また、食事ではありませんが異物を食べてしまうと胃腸の粘膜を傷つけて出血する可能性がありま
ウイルスや寄生虫の感染
子犬で気を付けていただきたい病気に、パルボウイルス感染症があります。
重度の胃腸炎を引き起こす病気で、血の混じった水下痢、嘔吐や食欲不振がみられます。
非常に感染力が強く致死率の高い病気なので、しっかりワクチンで予防しておきましょう。
パルボウイルスだけではなく、他のウイルスや寄生虫の感染で胃腸に炎症が起き、血便がみられることもあります。
特に子犬は免疫が十分ではないので、重症化する前に早めに動物病院で相談しましょう。
胃や小腸の異常
胃腸炎、食道・胃・十二指腸の潰瘍やポリープなどは、血便の主な原因となります。
軽度の胃腸炎であればすぐにおさまることもありますが、赤黒い血便の他に嘔吐、食欲不振、腹痛、元気がなくなるなどの症状がみられたら要注意です。
大腸の異常
大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができたりすると、血便や軟便だけではなく、ドロッとしたゼリー状の粘液がうんちに付着することがあります。
結腸や直腸のポリープや腫瘍は中高齢での発生が多く、日本では特にミニチュアダックスで大腸のポリープが多くみられる傾向があります。
ポリープや腫瘍ができている場所や大きさによっては、排便の体勢になるのになかなかうんちが出ない、いつもよりもうんちが細いといった症状がみられることも。
真っ赤な血便ではなくても、便の最後に少し血が付くだけといった場合もあるので、よく観察することが必要です。
肛門付近の異常
去勢手術を受けていない中高齢の雄に多いのが、前立腺肥大や会陰ヘルニアです。
うんちが出にくくなって血便が出たり、排便時に痛くて鳴き声をあげることもあります。
血便ではありませんが、肛門腺が何らかの原因で化膿してしまって出血し、それがうんちの表面に付くこともあります。
異物誤飲
異物誤飲とは、本来口にしてはいけないものを誤って飲み込んでしまうことを言います。好奇心旺盛な犬はなんでも口にしてしまうことが多く、何かの拍子で誤って飲み込んでしまったり、お腹がすいて人間の食べ物を口にしてしまったりします。
おもちゃや竹串などを飲み込んだ時に、胃腸の粘膜が傷ついて出血し、血便が出ることがあります。
また、玉ねぎなどのねぎ類は犬が食べると中毒症状が置き、血尿や血便、嘔吐といった症状があらわれます。
異物誤飲は命の関わることもあるので、早めの対処が必要です。
犬の血便で考えられ病気
犬パルボウイルス感染症
嘔吐、下痢、食欲不振などを伴う、重度の胃腸炎を引き起こす感染症です。
腸の粘膜が激しく障害されて、粘膜がボロボロになったところからお腹の中の細菌が二次感染を起こすことがあります。
免疫力の無い子犬などは重症化しやすく、症状が長引くと命に関わることもあります。生臭い血便が出た時は迷わず動物病院を受診しましょう。
この病気はワクチンを接種することで重症化が防げる病気です!きちんとワクチン接種をしましょう。
胃腸炎
少量の血や粘膜が混じった便をしていても、元気や食欲がしっかりしているようであれば比較的軽度の胃腸炎の可能性があります。
この場合は消化の負担にならないような食事を与えることで回復するケースが多いです。病院では食生活や日常生活の中での変化などを聞かれるかと思います。
しかし、便と一緒に大量の鮮血が出ていたり、ぐったりしているような場合には出血性胃腸炎などの重い胃腸炎にかかっていることがあります。
できる限り早いうちに積極的な治療を行わないと重症化してしまい、時として命にかかわることもあります。血便をした後に元気がなくなった場合は、急いで獣医さんに診てもらうようにしましょう。
腫瘍、ポリープ
持続的に、あるいは時間を置いて時々血便が出るような場合には、腫瘍やポリープによる慢性的な出血の可能性が考えられます。
これらの病気の中には、初期のうちは軽度の血便以外に症状がみられないこともあります。
特に高齢の犬で対症療法だけでは血便が治まらない場合には、獣医さんとよく相談をして詳しく検査をしてもらうようにしましょう。
血液凝固異常
何らかの原因で血を固める機能がおかしくなってしまい、出血が起こりやすく止まりにくくなる病気です。
生まれつき血を固める成分が欠けていたり(凝固因子欠損症)、ほかの病気の影響で血を固める成分が大量に消費されてしまうことが原因で起こります(熱中症、悪性腫瘍など)。
放っておくと、重度の貧血を引き起こして命にかかわってくることもしばしばあります。出血が続く場合には動物病院で診てもらうようにしましょう
犬の血便がでたらどうすればいいの??
病院で原因を見つけてもらう?
便に少し血がついている程度の出血で、食欲や元気がしっかりある成犬の場合は少し様子を見て血便が続かないか観察してみましょう。
すぐに治まらないようであれば動物病院で診てもらいましょう。血便には感染症から、内臓の病気までさまざまな原因があり、対症療法で回復するものから入院治療が必要なものまで症状の重さもさまざまです。
健康な犬であれば出血は簡単には起こらないものです。少量の血便であったとしても時間とともに悪化していくこともあります。出血という症状を軽く見て病気を見過ごさないようにしましょう。
血便は捨てないようにする
たとえば寄生虫が原因の場合など、便検査で特定できることがあります。また、便の状態から獣医さんが病気の推定が可能な場合もあります。
慌ててついつい便を片付けてしまいがちですが、愛犬がした血便は捨てないで、病院を受診する際にもっていきましょう。通常、ティースプーン1杯程度の量があれば十分です。
血便が続く
比較的軽度の胃腸炎などの場合は、対症療法を行うことで、あるいは何もしなくても回復することも多いと思われます。
それでも血便が続いてしまう場合には、継続的な治療が必要であったり、手術が必要な病気の可能性もあります。血便が治まらないときは、動物病院で詳しく検査をして原因を探ってもらうようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか??
ご家庭の愛犬は血便は起こらないと思っていたら、急に血便をするようになった!?なんていうこともあるかもしれません。
愛犬が毎日する便の「固さ・量・臭い・かたち・回数」をしっかり観察するようにしましょう。
血便がずっと続くようであれば、すぐに動物病院を受診しましょう。

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